クラウドコンピューティングとサブプライムショック

クラウドとは、雲という意味であり、ITにまつわるサービスや環境をブラックボックス化することである。

ブラックボックスは、余計なものを見なくていいというメリットが
あるが、逆に、見えないというデメリットもある。

最近あったサブプライムショックは、まさにブラックボックスが生んだ悲劇だった。リスクがどこに潜んでいるか分からないという恐怖がある。

ITにおいてもブラックボックス化となれば、そのような事態が起きることがありうるだろう。

1.トラブル解決の長期化
  トラブルが起きたときに、ユーザ側からも、ベンダー側からも原因がわからず、原因解決に時間がかかり、対応が遅れる

2.セキュリティ事故による過度の信用低下
  情報漏洩などが起きたときに、実体が見えないがゆえに、
  クライアント側からのベンダーへの信用の過度の低下を引き起こす

3.パンデミック
  リソースが集中することで、ウィルス拡大も早くなる
  大規模なウィルス問題が起きたとき、
  ウィルス拡大を防ぐためにベンダー間が接続を停止し、
  クラウドが機能しなくなりパニックに陥る

4.クラウドのパニックによる二次被害
  クラウドに参加する広告メディアなどへの被害
  クラウドの利用により顧客への細かいサービスを行う病院や
  小売業のユーザが、サービスを受けられなくなり客離れが起きる

5.ネットワークの効果 バブルの崩壊のリスク
  ネットワークの効果は、その規模の2乗に比例していく
  クラウドは、発達するということを前提に設計される

  バブルがもしはじけると、規模は縮小すると効果が
  指数的に低下し、クラウドの効果が急速に低下する

6.クラウド機能のリスクが分散化し潜在化する
  クラウドが複雑に絡み合うことにより、さまざまな
  サービスの中に埋め込まれる。
  1つのベンダーのサービス停止やサービス中止により
  さまざまなサービスが機能しなくなり、不安が加速すると
  サービス利用停止が相次ぎ、それによりまたサービスが
  中止に追い込まれると、さらに別の機能が停止し、
  不安が加速する
  
7.セーフティネットが必要
  クラウドが普及し、大規模なインフラと化したとき、
  ライフラインの1つとなる。
  それらが停止したとき、会社や経済への影響がでるだろう。
  国家レベルで救済が必要となるかもしれない。
  クラウドを支える公的なセーフティネットが必要となるだろう。


ただし、クラウドコンピューティングによってもたらされる利益は、問題点を遙かに上回るほどのものがある。

パラダイムシフトが起きているのである。
それは、単にGoogleならインターネットでホームページやブログの
検索がすばやく出来るとかというようなレベルではない。
クラウドとは、人類が世界規模での大きな頭脳を持つ
ということなのである。

セキュリティや障害などの対策をしっかりとって、
次世代のITプラットフォームが育っていって欲しいと思う。
自分もITエンジニアとして対応していきたい。

ではまた