大事なのは現状にとらわれず実現を信じること

新卒で入社して一年

SEの世界で、新技術とか最先端の技術というと、聞こえはカッコいいとか思って、いいと思うかもしれない。ところが、前例がないからネットで調べてもサンプルや事例とかもほとんどないし、問題がおきてもトラブルシューティングやFAQも出てこなかったりと苦労が多い。

新しい技術は入門書などあるわけもなく、仮に出てても内容が古くて使えなかったりするから、ひたすらリファレンスを読みこなさねばならない。リファレンスも日本語があればかなり恵まれているほうで大概は英文だ。しかも、リファレンスが分かりやすく書いてあればいいほうで、親切丁寧なんてあまえたことを言ってる場合ではなく、すでにその程度の知識は分かっているだろうということを前提にほとんど記述がなかったりもする。しかもその具体的な適用例がないことも多く、試行錯誤で自分で具体的な適用方法を見つけていくしかない。ひたすらデバッグを繰り返し、暗闇を手探り状態で進んでいるようなものだ。分かっている先輩も同僚もいないため、相談することもできないなんてこともざら。

最先端へのチャンレジは、孤独な世界であり、常に失敗のリスクと向き合わねばらなら無い。思うようにいかなくても解決策がネットで調べても出てこない。相談する相手もいなく、解決するような本も無い。あらゆる考え出した解決のパターンを何百と考えても、それでもどうにもならず、なぜ!?ありえない!?と何週間も叫び続けているとき、ものすごい無力感と敗北感と諦めの気持ちの中でジレンマで頭がおかしくなりそうになる。
そういう状況であっても、納期は決まっていて、成功させ結果を出さなければならない。納期が着々と迫ってくるとき、まるで死刑台に乗せられる日が近づくカウントダウンのようだ。

やっと解決の糸口が出てきたときは孤独の世界から平和な世界へ抜け出し救われたような気分であり、達成感というよりもむしろ安堵感である。

最先端技術をやっているときは、この状況では現状打破はありえないとか無理だ、という状況の中にいる。ありとあらゆる不可能の理由があり、何度も失敗を重ねても、周りの人からもやめろとか間違っていると言われても、そんなことは無い、必ずできるはずだからと、説得してでも何週間も何ヶ月も戦わなければならない。実現の可能性を信じ、困難に立ち向かっていけるタフな精神がないとやり続けることは難しい。

やりきれない状況や環境の中で自分を自分の目標に導き、自己実現しようとする気持ちと、最先端の技術で打ちのめされながらも何とかやり遂げようとしているときの気持ちは似ている。職場や同僚をああだこうだと人のせいにして、そこでめげてしまうのはあまりにも早すぎないだろうか。