問題を見つけることが重要だ

こんにちは

世界同時不況はどうやって解決すればいいのか?

まず、実体の変化に着目するのである。
破綻と破綻前で何が変わったのか?
物が増えたのか?お金が減ったり増えたりしたのか?人間が増えたり減ったりしたのか?
減ったのはお金である。金融の循環の仕組みが問題を起こしたのだ。
人間は変わっていない、物も増えたり減ったりしていない。
お金の流れは資本主義経済の根源をなすエネルギーだ。
人間でいえば、血管である。今の状態は動脈硬化のような状態なので
放置しておけば、命に関わる問題である。
命に関わるというのは、このグローバルの資本主義経済全体の破綻である。
お金の流れに問題が起きた。ゆえに解決すべきはお金の流れである。

さて、資金の流れである金融ネットワークボトルネックが発生した。
これを解決しない限り、どこをどういじってもお金の流れはかわらず、
経済全体として良くはならない。

TVを見ると、専門家や、専門家でもない人たちが、
この不況の解決するために、あーしろこーしろと連日わめいているが、
どれも見当違いも甚だしい。
肝心の問題がどこかも分からないわりには、解決策ばかりをみんなで騒ぐ。
システムエンジニアだったら失格だが、政治家や経済の専門家となると
そうはならないから不思議だ。

例えば、雇用問題。
非正規社員を正規社員にしないと景気が回復しないだの、まったく関係ない話。
雇用問題は景気とは関係ないのに、それが、日本の企業をだめにし、
しいては日本の不景気になったとまで言う。
だから、それを解決すればよくなるのだと。
いや、非正規社員ばかりだから、日本企業がだめになったわけではないし、
日本企業がダメだから世界同時不況が起きたわけではない。
雇用問題は将来の日本の社会のあり方を考えるためには、
確かに考えなきゃいけない課題ではある。
だが、不景気をもたらした直接の原因ではない。
雇用問題のボトルネックそのものが不景気なのであって、
不景気のボトルネックが雇用問題ではない。逆なのだ。
だからその対策をとっても、世の中は景気が良くならないため、
雇用問題も不景気も一向に解決しないのである。
雇用問題のボトルネックは不景気だから、景気が良くなりさえすれば、
自然と解決する問題である。雇用問題はボトルネックではないのだ。

トラブルがどこで起きているのかを解決しなければ解決できない。
解決は、問題が分かれば自然と分かる。
やるべきことは、何が問題かをちゃんと見つけることだ。
だが、今、ちゃんとは探そうとしている人がほとんどいない。
だから、見当違いの対策案ばかりが出てくる。その最たるものが、定額給付金だ。
コンピュータが動かないのでとりあえず再起動しましょう。
という発想じゃないか?
つまり、手っ取り早くすぐに思いつくことをやってみましょうということ。

だが、いまどきのコンピュータは、意味不明で固まったりすることは
まれであり、再起動しても問題が解決しないことが多い。
パソコンが動かないからと、コンピュータを再起動してみたり、
たたいてみたり、振ってみたりしても問題は解決しませんよ。
解決するには、システムログをちゃんと見ること。何が起きたのかを調査すること
問題が起きた前後でどんな変化があったのか?データが壊れたのか、アプリが壊れたのか
何が原因で動かなくなったのか、それを探さないと解決できないことが多い。

定額給付は効かないだろう。定額給付自体が意味ないとは思わない。
焦って問題を判別せずに、場当たり的な対応をしようとしているから効かないだろう、
と思うだけだ。きちんと問題を見つけ、それが、一人2万円程度を使わないからだ、
と分かったならば、定額給付は効果が出るだろう。

問題をちゃんと判別するのは、とても大変な作業で、解決策を考えるよりもよほど難しい。
問題を解決するシステムエンジニアにとってそれが最大の仕事といってもいい。

経済も、なぜなぜ5回しないと問題が見つかりませんよ。
どこにボトルネックがあるのかを真剣に探さないと、
この世界同時不況の問題は解決しません。

ではまた